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階段

階段に一体なにがあるというのだろう。
マンションの自室から10歩ほど進み、エントランスへと続く階段を見下ろしたところで私の足は止まってしまった。なんだか階段を降りるのがひどく億劫だった。
そういえば研究室のヒト達もそんなことを言っていたなあ。彼らの階段にまつわるエピソードを思い出しながら、私は足を前に出した。
後輩Hはこう言った。「卒論の頃、部屋からは出られても、どうしてもマンションの階段を降りられなくなってしまって、階段の一番上で何十分も座り込んでしまいまったことが何度もあります。」
同期Kはこう言った。「去年の春頃、家から出て、大学まではたどり着くんだけど、どうしても研究室へ続く階段が一歩も登れなくて、引き返して家に帰ってたんだよ。」
階段が何だというんだ。私はその段差に目を向けずに一歩ずつ踏んでいく。登るのも降るのもつらいだなんて、一体階段というモノににどんな呪いが掛かっているんだ。恐らく、階段を昇り降りするのは、ただ平坦なところを歩くより多くのエネルギーを要する。私も高校生の頃トレーニングとして階段ダッシュを繰り返した覚えがある。階段ダッシュは息が上がる。足に疲労がたまる。つらい。そもそもちょっと辛い行動なのだ、階段昇降は。そこに精神的な不安が多少あれば辛い行動を脳が逃げようとして、降りられない、登れない、と感じてしまうのではないか。
私はそこまで辛くないし、ジムで身体鍛えてるし、と思ったころにはエントランスにたどり着いていた。車で大学の駐車場に着くと、私は階段を通り過ぎてエレベーターに乗り込んだ。ほら平気だ。もう立ち止まることはない。無駄にでかい声で「おはようございます」と言える。「階段つらいの?エレベーター使えばいいんじゃない?」という無神経な言葉も平気で吐ける。
そう、私は鈍感だから強いのだ。
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三人称

私の趣味は二次創作の小説書きだった。だった、と書いたのは、もう書けなくなってしまったからだ。きっかけは、人生で初めてお付き合いした恋人と4年間付き合って別れてからである。それ以降どうしても書けない、うんうんと唸りながらPCの前に座っても全然書けない。力を振り絞って苦しみながらも書いてみたら、今まで書いていたものとは全く違うものが出来上がった。何が違うって、キャラクターが軒並みクズでダメ男でダメ子なのである。ああ違う、このキャラはこんなんじゃないはずだ、何故だろう、どうしてだろう、書けない、苦しい、とずっと考えていた。
その書けない理由に気が付いた。元恋人と別れてからもうすぐ2年になろうとしている今頃になってようやく気が付いた。その理由とは【これまで俯瞰で妄想して三人称で書いていたことが出来なくなっている】だ。
私は元恋人と別れてから自暴自棄に陥り、夜遊びを始めた。今まで異性は1人しか知らなかったのが、1年半やそこらで一気に増えて、色んな人と出会い、知り、セックスをした。異性との交わりについて、私はこれまで現実世界では一人の異性しか知らなかったため、そのほかの全ては妄想できたのだ。誰と誰が出会うとか、誰がこう言って誰が照れたとか、そういうことに妄想を膨らませることができたのだ。それが、私自身が色んな異性と出会ったことで、私にとって異性との交わりは妄想ではなく現実のものになってしまった。いわば【一人称のセックス】をするようになった、のだ。夢が現実に降りてきた。俯瞰視点のRPGからFPSのシューティングゲームになった。黒魔術師も召喚獣も居なくなって、銃とナイフだけ持っている。そんな感じだ。
もう一度創作したい。どうしたら三人称に戻れるだろうか、としばらく悩んだ。思いついた解決策は2点だ。1点目は、「インプットを増やす」こと。様々な創作物に触れて色んな感情を受けとったら、また創作する気が起きるのではないか、ということだ。2点目は、「さらに色んな人と会って交わる」こと。今中途半端に経験が増えたせいで俯瞰を失い一人称でしか物事を見れていないとしたら、もっともっと経験を増やして色んな人と出会い、視点をぐるりと360度回転させたら三人称に戻るのではないか、ということだ。1点目は簡単だが、2点目はリスクが伴うため、やや腰が重い。でも、とりあえずやってみよう。
そういった経緯で、私は三人称を取り戻す旅に出た。

報告することなどない

今年度は外部研究費を獲得したのだが、年度末なので現在その報告書を作成しようとしている。
しかし、報告することなどない。ろくなデータが出ていないからである。
でも「これやります」と言ってお金をもらった以上は「こんな結果になりました」と報告が必要である。至極当たり前のことである。

良きデータが出ていた場合はノリノリで書くだろうが、今年度はろくなデータがない。
一体私は一年も何をやっていたんだ?
自分のクソデータに向き合っていると自分にぶち切れそうになる。

このネガティブデータをつかって「すごいことやった感」を出す文才が必要だけれど、胃が痛い。嫌だ書きたくない。エロ小説なら書ける。
数十万の予算使ってなんでエロ小説書こうとしてんだ馬鹿。


悔しい

悔しい。

私は毎月、先生の研究を手伝って謝金を大学からもらっている。
毎月月末に「今月どれだけ働いたか」を記入して書類を提出し、次の月の15日に振り込まれる。
先月も31日に提出したのに、何故か16日の今日になっても振り込まれていない。
書類に不備があれば訂正依頼が来るが、それも来ていない。
あれ?何で?振り込まれないと今月困る。
直ぐに大学の会計係に聞きに行くと、「あれ?今月7日に本部に送ったけどねえ。7日に送ったから処理に間に合わなかったのかな」
と言われた。

はあ、じゃあいつ振り込んでもらえるんですか?と尋ねると、「月末になりますね」との返答。
えっと、月末って。
「30日ですね」

ハイ。
私、実はこの毎月の謝金で生計立てている。カードの請求は26日くらいに来る。死ぬ。

正直、ギリギリで生活している貯金の下手な私が悪いと言えばそこまでだが、自分は博士課程のしがない学生で、稼ぎもなく、大学から支払われる謝金でなんとか暮らしている。
毎日真面目に朝から晩まで研究室にいて、先生から任されている研究を頑張れば自分の研究が進まなかったりして苦しんでいる。
それなのにまともに報酬も払ってもらえないなんて、しんどすぎる。

25歳になり、周りの同級生たちはとっくに働いてお給料をもらったり、結婚したりしているのに、自分の現状の悲惨さに思わず涙が出た。
貧乏でもいい、面白いことがしたい、とアカデミックの道を選んだのは私だが、大学事務の会計のおばちゃんの書類の送り遅れなんかで簡単にピンチになる自分もう悔しくてたまらない。

いまのきぶん

今の感情が見当たらない。

私はよく音楽を聴く。その時の気分に合ったものを何度も何度もリピートする。
気に食わないことが沢山あって色んな事に怒りを向けていたころは、石川智晶さんの曲をずっと聴きながら作業をしていた。
楽しくて気分の良い時は、ケイティペリーなんかの洋楽のポップスを、
自己陶酔しながら作業するときは平沢進を。
とにかくノリで作業をサクサク進めたいときはEDMを。

その気分が終わるまで1、2週間ほど、本当に同じものばかり聴き続けて、その時の気分に浸りきる。

なのに、近頃どうも、今の気分に沿った歌が見つからない。
お気に入りのアルバムを聴こうとしても、どうもこれじゃない。
今の気分はなんだろう。

別に、すごく悲しいわけじゃない。
相も変わらず怒りは抱えているけど、一種あきらめの境地に入った。
良いこともある。でもすごく楽しいわけでもない。
とても中途半端な気分だ。

今の気持ちを表現する言葉も持っていない。
何か本でも読もうかな、と思い立つも、図書カードを紛失していることに気が付いた。
もう、何をやっているんだか。

そう悪くはないけど良くもない。そんなぼんやりした生活。



プロフィール

ソウ

Author:ソウ
すみか:海の近く
職業:大学院生
好きなもの:アニメ、攻殻機動隊、小説、音楽。どれも癖のあるものが好き。現在某死神漫画の主人公ペアにお熱。

ブログを作り直しました。
よろしくお願いします。

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